主語ってなんだ?

こんにちは。石渡です。
一つ前の記事、日本語と英語の大きな違い
も読んで下さりありがとうございます。

日本に帰ってきて、個人的に英語を教えるようになった数年前から
このブログで書いているような事を授業で話していたんですが、
年代、職業関わらず、皆結構何が疑問なのか言葉にしづらい
もやもやするポイントが似てるなあと思っていました。
その辺りを紐解く手伝いをしていきたいです。

そして。
自分で既に英語を仕事で使わざるを得ない人。
いずれ海外で学んだり働きに出たくて勉強してる人。
ナンパしたい人。
文法用語を見ると気持ち悪くて跳び蹴りしたくなる人。

理由はなんであれ、英語を学ぶ色んな人の役立てれば嬉しいです。

今日は主語について書きます。

主語はずばりその文の主題、主役です。

主語でだめなら subject

主語は英語ではsubject(カタカナ読みでサブジェクト)と言います。
結構この言葉に耳慣れている人も多いでしょうか?

いっぺん subject の他の意味を色々挙げてみましょう。
主役、題材、テーマ、件名、議題、などなどがあります。

メーラーでも、件名は subject
会議の議題も subject
絵やなどの題材も subject
フーガの主題も subject

このように、そのトピックで一番言いたいことがsubject であることが多いです。

つまり、主語はその文で伝えたいことなのです!

主語、という言葉がどうしても生理的に馴染まない人、すっ飛ばして subject で考えた方が腑に落ちるなれば、subject でいきましょう。

教科書にずっと昔から載っている主語= S は実は subject の S です。
余談ですが、わたし個人の経験は、英語で主語= S とか記号が出てくるタイミングが一番苦手な数学とかの数式で文字式が出てくるタイミングとかぶってたせいか、もやもやしすぎて脂汗がでる位遠い存在に感じました。
意味がわからないものを丸暗記するの、辛くてしょうがなくても、
意味がわかれば怖くないでしょ?


主語になれる言葉


主語には、どんな言葉がなれるのでしょう?
ざっくりいうとモノ、ヒト、事象、地名、事柄など
です。
これらみんな、名詞や名詞節ということばのグループに入ります。
名詞の名は名前の名。名前=名詞、くらいおおざっぱの認識でも良いと思います。

モノはちょっと壮大なくくりですが、
ペン、うどんなどの物から、プラスチック、インク、小麦などの材質、ペン職人、うどん職人などの職業名もそうです。
石渡うどん製麺所とか、会社名もとかもここにいれましょう。

(今お昼どきで、うどんの例えばかりですいません。)

ヒトや地名は、そのまま。

事象って愛、友情、美、とかちょっと抽象的な概念。
概念の種類=概念の名前とも考えられます。

事柄は今は「〜すること」と日本語で言えるようなこと、くらいに思っておいてください。

日本語で語られない主語
日本語で主語を言いたくないとき

前回の記事でも書いたように、日本語は、全てを語らず、聞き手の理解にゆだねる傾向が強いです。
なので、主語を省略しても通じる場合が多いです。

ここらへんに、和文英訳を教科書から離れたときにつまずく人が多い理由があるのではないでしょうか?

教科書では、
わたしは高校生です。
あなたは英語を教えます。
わたしは皆が好きです。

という感じの日本語文があって英語にしろって書いてある。

でも、実際こんな風に話すひとあまりいません。

いや、確かに最後には英語を訳せば
I am a high school student.
You teach English.
I like everyone.
なのですが。

日本語って自然に話すときって文の前後があるから、

「山田花子です。高校生です。

とか
仕事を聞いたら
「へー。英語教えてるんですねー。

「皆だいすき!」

結構こんな感じで話しませんか?

一方。

「あの人、格好いいよね。」
「わたしのお母さんて料理上手なんだ。」
「男子たちうぜー」
(ごめん男子たち、わたしはだいすきだぜ)

みたいに、会話に参加してない人達について話すときは、主語をちゃんと言うこと多いです。

ここで言えるのは日本語ネイティブが一番明言したくない主語は、
会話の相手(あなた)と自分のこと(わたし)、なのではないでしょうか。

だから、ここを抑えておかないと

高校生です。
皆が大好きです。
英語を教えているんですね。

なんて言いたいとき、

High School Students.
Like everyone.
English teach?

みたいな感じになっちゃう。

でも、あなたがこれを初めて聞いたとき、
まず「誰が?」って思いませんか?

その「だれが」がとっても大事だから、文の始めに一番最初に言っちゃうのです!

それが主語です。

 

今日はこんなところで終わります。

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日本語と英語の大きな違い

こんにちは。
石渡です。

先週書いた、to と for の違いの記事など、沢山読んでくださりありがとうございます。励みになります!

英語が苦手な自分の家族とその後話していて、もっと基本的なところから説明するのはどうだい?と提案をもらいました。
そんなわけで、まず大前提の日本語と英語の大きな違いについて書いてみたいと思います。

聞く文化と伝える文化

このブログを読んで下さっている方はおそらく日本語を話す環境で生まれ育った方が多いのではないかと思います。
わたしも同じく、日本で生まれ育ち、高校卒業後に渡米し、NYに9年間住み、その後こうしてまた日本で暮らしています。

こうして、母国を一度離れてまた戻ってきて日本語中心の生活に戻り、あらためて思うのは、日本語は聞き手にゆだねられる文化。

わたしは民俗学などを深く学んだわけではないですが、古くから日本はムラという共同体で生きてきて、農耕を中心に、皆で助け合う和を求められた文化だと思います。
なので、本当にはっきりとした物言いを避ける傾向があります。

日本語の特異な部分は、話し手が主語を明らかにしなくても、聞き手は文脈で主語を理解することを求められるし、自然にできることが多いです。
だからこそ、俳句や和歌などの、言葉の隙間を想像する美しい文学が栄えたのだとも思います。

逆に、英語のみならず、西洋の言語は、大陸のさまざまな国が、古くから政治や戦争などで領土などをめぐり、国境は時代ごとに変わり、他の文化、他の民族と入り交じりあいながら生きてきた人達が育ててきた言語です。

なので。

誰が何をしたのか。
誰の物なのか。
数はいくつあるのか。

英語や他の多くのヨーロッパの言語ではこうした情報を、できるだけ話し手が明確にします。
自分の行動とその責任の所在、誰が何をいくつ所有しているか、をはっきりと明言する必要性があったのだと思われます。

和の文化と、個の文化。
聞く文化と、伝える文化。

これを何となく頭のすみっこで思っているだけで、こまごました文法も色々腑に落ちてくるかもしれません。

例1)誰がために腹は減る

例を出してみましょう。

「おなかすいたなぁ」

このひとこと。

言ってる本人のことに決まってるでしょ?
なんて思いますか?

英語ではきちんと
I am hungry.
わたしはお腹空いている。

と言います。

スペイン語は実は主語がなくてもなりたつ言語ですが、
それは、動詞が主語ごとに変化するからです。

Tengo hambre.
TengoはTenerという動詞ですが、私という場合にしかこの活用は使えません。なので、Tengoを聞いた瞬間に聞き手は、相手が自分の話をしていると分かります。

例2)ペンを一本持ってる?

「ねえねえ、ペン持ってない?」
と聞かれたら何て答えますか?

「ペンあるよ!」
「ペン持ってるよ!」

とかでしょうか。

英語ではやっぱり

I have a pen.
わたしはペン一本持っています。

という、去年のピコ太郎フィーバーなくても、中学英語を通れば誰もが知っている文でしょうか。
これも、a をつけていちいち数を言ってください。

「なんで、そんな当たり前のこといちいち言うの、めんどうくさいな。気持ち悪いな」

なんて思ったかた、いますか?

実際ね、I have penだって通じると思います。
全然。
aの音なんて小さくしか言わないし、全然行ける。
でも、やっぱり文章とかでこう書かれると、もぞもぞしてくる。

もし店で
I want pen.
ペン欲しい

って言われたら、
How many?って聞き返したくなると思うのです。

我々が「誰が」「どうした」「いくつおれのだ」はっきり言われまくるともぞもぞするのと同じだけ、英語を話す人は数をはっきり言われないと、もぞもぞしてくると思うのです。

なので、この感覚の違いが言語の違いに潜んでるもの。
これこそが言語を通して異文化を知る楽しみかもです!

空気は読まずに発話に使う

そして、段々英語を学んでいくと、いずれ個を伝える文化が言語を通して、自分にもにじみ出てくると思うのです。

はっきり言う練習をしていたら、段々自分の意見と相手の意見の境界線を区別できようになったりします。

たとえば。親と喧嘩している友達がいるとします。

「お母さんと話をしたほうがいいんじゃない?」

こんな風に日本語で言う場合も。

I think you should talk to your mom.
あなたがお母さんと話した方がいいと
わたしは思うこと(自分の意見)なのか。

I want you to talk to your mom.
わたしは、あなたにお母さんと話して欲しい、
自分の希望を伝えているのか。

Talk to your mom.
お母さんと話しなよ。
と命令口調なのか。

日本語は、このへんすごく曖昧にできて便利。
自分の希望なのに意見とすりかえたりも出来る。

でも、こういうの見極められるようになると、すごく考えがすっきりしてきます。

英語を例えまったく話さない環境にいても、
新しい考え方を自分から引き出せるようになるかもしれない。

それってとっても私はわくわくするなーと思うのです。
わたしはね。

そして、そんな風に思う誰かの役に立てたらいいな、と思います。

さて、言語の違いについて書いたところで

次回は、主語主語なんべんも言うけど、しょうじき主語ってなんだろう?

と言うところを書いてみます!
お楽しみに!